年末年始手当についての注意事項
顧問先様においては、年末年始に出勤した従業員に対して、年末年始手当のようなものを給与でお支払いしているところがあると思います。
この年末年始手当には、社会保険上の注意点がございますので、本手当を支給している顧問先様はぜひご一読ください。
この注意点は、年金事務所が最近注目し始めた部分になり、指摘を受けた事業所が増えてきたとのことです。
1.賞与の定義
ご存知の通り、給与にも賞与にも社会保険料はかかってきます。そのため、支払われる金額が、給与なのか賞与なのかという判断をしなければなりません。
賞与の定義について、全国健康保険協会では以下のように定義しています。
”賃金、給料、俸給、手当、賞与、その他いかなる名称であるかを問わず、被保険者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の支給のものをいいます。” ー全国健康保険協会
つまり「どんな名前であっても、年3回以下の支給であるもの」 が賞与とみなされるということです。なお、年4回以上支給されるものは標準報酬月額に入ります。また、労働の対償とみなされない結婚祝金等は対象外です。
そうなると、よくある年末年始手当というのは、「年末年始に出勤した従業員に対して支給する」というものであるため、毎年1回支払うことになると思います。
年に1回しか支払わないので、「年3回以下の支給」に該当します。また、「年末年始手当」という名前で給与の一部のように思われますが、「どんな名前であっても」という条件に該当しますので、年末年始手当は賞与とみなされます。
仮に、夏季賞与・冬季賞与を毎年支給している会社だとします。そして年末年始手当を1回支給したとします。この時年末年始手当も賞与に含まれ、年に3回の賞与になります。更に決算賞与を支給した場合、年4回の賞与に該当することになります。
上記のように年4回賞与を支給した場合、原則どおりであれば、賞与額を1/12したものをそれぞれ標準報酬月額に加えて保険料を算定することになります。
2.賞与とされた年末年始手当の注意点
注意点としては、夏季賞与・冬季賞与等と年末年始手当は、同じ賞与とはいえ、違いがあるということです。
夏季賞与・冬季賞与は、基本的には毎年、賞与月に在籍する社員に支給されます。しかし、年末年始手当は、支給月に在籍していても、年末年始に出勤しなければ支給されません。
この「支給月に在籍しているのに、支給される人が毎回バラバラになる」「そもそも支給されないことも珍しくない」という点が、同じ賞与なのにも関わらず性質が違う点になります。
そしてこれは決算賞与も同様の考え方になります。決算賞与も同様に、毎年必ず支給されない場合や、支給される人がバラバラ等であれば、夏季賞与・冬季賞与とは性質を異にするものになります。
つまり、賞与とはいえども「夏季賞与・冬季賞与」と「年末年始手当と決算賞与」というグループに分けることができるようになります。
この時、前述の通り、通常であれば年4回以上の賞与に該当し、賞与額を1/12したものをそれぞれ標準報酬月額に加えて保険料を算定することになりますが、「年末年始手当と決算賞与」のグループは、「年4回以上」という数には含まないで良い、となっています。
つまり、賞与としては4回以上支給しているが、1/12したものを標準報酬月額に加えて算定する方法はしなくて良い、という扱いになります。
最初に言ったように、あくまでも実態で判断するため、年末年始手当や決算賞与であっても、毎年全従業員に支給するようなものであれば、「年4回以上」の数には含みますので注意してください。
また、最終的に判断するのは年金事務所であり、確定的なことを言うのが難しいため、弊社としては、上記のように判断が難しい年末年始手当は、例えば冬季賞与や決算賞与などに入れて支給する方法をオススメいたします。
実態の判断は個別で要件を見ていかないと難しいため、判断に迷われた場合や、本記事についてお尋ねがある場合は、遠慮なく弊社にお尋ねください。 |